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高森明勅
2019.5.3 07:00皇室

令和元年5月1日

令和元年5月1日。
全国の幅広い国民の祝福のうちに新しい御代(みよ)が幕を開けた。
まことに慶(よろこ)ばしい。
 
私はこの日より前、「昭和の日」(4月29日)に
ブラジルのテレビ局のインタビュー収録を皇居・二重橋周辺で行った。
その時、既に家族連れや若いカップルなど
多くの人達が詰めかけていたので驚いた。

新しい天皇陛下のご即位をこれだけ多くの人達が
熱心にお祝い申し上げる様子は、ちょっと予想を超えていた。
先帝崩御を前提としない、ご譲位ならではの光景。

しかも、上皇陛下の30年余りのご献身を、国民は肌で感じている。
 
私はこの日、テレビ東京のスタジオで「剣璽等承継の儀」と
「即位後朝見の儀」を拝見しながら、正午まで解説した。
厳かな儀式に感動した。

即位後朝見の儀で、天皇陛下がおことばを読み上げられた時のお声は、
お気持ちが籠もり、実に力強かった。
 
ご移動の車中での皇后陛下の輝くような笑顔が印象的だった。
 
番組では宮内庁前等での中継も交え、
場面が様々に切り替わるので、十分に行き届いた
解説が出来たかは自信がない。
但し、他局とは違う私なりの切り口を僅かでも
示せたのではあるまいか。
テレビ局のスタッフは大変評価してくれ、
早くも10月の即位礼の際の出演を打診された。
 
一旦、テレビ局近くの隠れ家に移動して少し休む。
再びテレビ東京に戻り、4時54分から5時半まで
「ゆうがたサテライト」に出演。
実は他局から、時間帯が重なる番組への出演依頼があった。
しかし、先約を優先したので依頼に応じられ
なかったのは心苦しい。又ご縁があれば。
 
その後、AbemaTVの「AbemaPrime」に出演する予定だったが、
直前に「企画内容の変更」を理由に出演しない事になった。
ところが実際に放送された内容は、私が依頼された時のテーマと大きく
変わっていないようだ。
以前、一度だけ急に出演依頼が取り消された事があり、
この時は丁重な謝罪があった。
だが、事実とは違う説明でキャンセルされたのは初めて。
 
業界に詳しい人も、そんな例は余り聞いた事が無いとか。
同番組とは今後、縁を持たない方が良さそうだ。
とにかく、この日はこれでお役御免。
 
テレビ東京が用意してくれた車でそのまま再び隠れ家へ。
たまたま日本に帰っている長女と合流し、一緒に夕食を食べた。
新元号初日に、海外に嫁いだ娘と2人だけの夕食というのも、乙なものだ。
その後、電車で帰宅。
 
車中、座席に座っていると、目の前に若いカップルが立った。
少しチャラそうな男性いわく、
「お前もさぁ、上皇さまを見習って相手の立場というものを…
上皇后さまへの思いやりなんて半端じゃないだろう」とか、
やたら“上皇さま”を乱発していた。
 
かと思うと、隣に座った初老のご婦人2人。
どうやらお1人は昼間、メーデーの集会に参加していたらしい。
 
「今日は集会の会場がガラガラよ。全然参加していないの」
「あら、どうして?」
「だって、アレでしょう。新天皇の即位があってさぁ。
そちらに行きたい人もいるから、組合も自由参加にしたのよ」
「じゃあ、いつものような動員じゃなかったんだ」
「だって無理やり動員かけたら、かえって反発があるでしょ。
だから自由参加にしたら、みんなそっちの方(皇居やご移動の沿道?)
に行っちゃって」
 
この日はあちこちで、こんな話題が自然に飛び交ったのだろう。
令和の御代が素晴らしい時代になるよう、国民として微力を尽くそう。
 
先ず、皇室の「自然消滅」だけは
何が何でも防がなくてはならない。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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